このコラムはワールドミュージックコースのFacebookからの転載です。
フランソワ・クープラン(1668-1733)は、「クラヴサン奏法(1717)」の中で、「記譜通りに演奏しないのは、フランス語を書いた通りに発音しないのと似ている」と述べています。つまり、バロック時代の作品を演奏する場合、楽譜に書かれたリズム通りに演奏しないことがよくあります。例えば、フランス音楽において、順次進行で8分音符が並んでいるとき、第1音、第3音は長く、第2音、第4音は短く、という具合に、不均等に演奏することによって優雅さを表現します。是非、試してみてください。(上薗未佳)
アーティキュレーションは、チェンバロで音楽を表現するためのもっとも大切な演奏技法の一つです。それは同時に、チェンバロの奏法とも密接なつながりを持っています。管楽器奏者がタンギングで、弦楽器奏者がボウイングで様々なアーティキュレーションをつけて表現をするように、チェンバロにおいては、タッチによって変化に富んだアーティキュレーションをつけることによって、音楽の表情を豊かにしていくのです。まるで、指先でお話をしているような感じで、チェンバロを演奏する喜びも、ここから始まっていきます!(上薗未佳)
難しい箇所の練習をする時、どうしても途中でつまらなくなったり、嫌になったりしてしまいますよね。そんな時、私はなぜ、この曲を弾きたいと思ったのか、元々の願いに立ち返りましょう!そうすると、この曲は難しいところがあるけれど素敵、こんな風に演奏してみたい、聴いてくださる皆さんに喜んでもらいたい!だから、この難しい箇所も諦めずに頑張ろう!と、心の向きが変わってきます。それが、まず克服の第一歩です!その気持ちからならば、自分で練習方法を模索したり、積極的に先生に伺ったり、短時間でも集中して密度の濃い練習をし続けることができます。やがて、そのたゆみない練習が実を結ぶ時が来るでしょう!(上薗未佳)