ワールドミュージックコースというコース名になっていますが、クラシックギターやマンドリンといった楽器を専攻する学生は、いわゆる「西洋クラシック音楽」を専門に勉強します。
本学はクラシック音楽の音楽大学でもありますので、ソルフェージュ、和声学、 対位法、楽曲分析、西洋音楽史といった普通の音大で行う理論的な学習カリキュラムも充実しています。
専門実技のレベルアップを図るカリキュラムとしては、 実技の個人レッスンはもとより、室内楽として他の楽器とのアンサンブルのレッスンや授業ももちろんあり、ここではバロック音楽から近現代のクラシック音楽の作品を勉強していきます。
その一方で、コースの専門カリキュラムの中にはアメリカン・ルーツ音楽、南米音楽、フラメンコを専門の先生から学ぶ授業があります。それは、世界の様々な音楽にある、特徴的なリズム、音の使い方 (旋法)、奏法などすべてにおいてスペシャリストから教えをうけ、自分でもそのリズムや旋法を体感し、各自の感覚にそれぞれの音楽のエッセンスを取り込むというコンセプトでやっています。特に各音楽のリズムに関しては、ほんの少し知っているだけではグルーブ感を出すことは難しく、専門の先生から直にしっかりと習うことでリズム感が鍛えられ、専門のクラシック音楽の演奏にも役立つようになっています。
* 中学、高等学校の音楽教員免許の取得が可能です。
下記の楽器から専門実技を選択し、奏法研究を行います。
ワールドミュージックの楽器を集中して学ぶ単専攻と、異なるカテゴリーを学び、音楽性を広げる複専攻があります。
1種類の楽器(50分)
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1種類の楽器(20分)
二種類の楽器(30分+30分)、または一種類の楽器(30分)+他コースレッスン(30分)
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1種類の楽器(20分)
実技だけでなく、制作の学習も可能です。創作や録音の学習を達して新しい演奏スタイルに挑戦していきます。
専門実技(主科)の他に副科実技を履修することができます。好きなレッスンを自由に選択することができますが、副科を主科へ関連づけることで、専門分野の理解がより深まり、実技のレベルアップにつながります。これが音楽大学ならではの学習環境の利点です。
ワールドミュージックコースで専門の楽器を学び、音楽の研鑽を積み、将来、演奏家、指導者として活躍していくことが、その楽器の未来を創っていくことになります。
まずは演奏家としての活動。大学で優れた先生方より学んだ演奏技術や音楽表現、多くの本番で高めた実践力、試演会でのプランニングの経験が活きてきます。
次に留学。海外で音楽力をさらに磨きたい希望があれば、留学や海外での活動経験のある教員がアドバイス、サポートをします。
さらに学校教育の現場や音楽教室等での活動。在学中に教職課程を履修すれば、中学・高校の音楽教員免許の取得が可能です。子どもの頃から多彩な音楽に触れさせることは、音楽好きな子どもの可能性を広げ、音楽の裾野も広げます。
洗足で理論的、実践的に音楽を深く学び、自身の感性を豊かにして、演奏活動、音楽教育の両方で活躍していきましょう。
世界の様々な音楽、楽器を集めて専門的に勉強するという、今までにはない発想のもとに生まれたコースです。
溢れるような音楽への情熱をもっている先生たちのもとで、様々な音楽のスタイルを学び、研鑽を重ね、自分の音楽の方向性をみつけていきます。ワールドミュージックコースの各ジャンルの先生と接していると、世界には自分の知らない音楽が山ほどあり、それぞれがとても魅力的であることがよくわかります。学生同士の交流でも同じような刺激を受けるでしょう。専門領域以外の音楽の知識や感覚も身につけることで、自身の感性を豊かにし、自分がどうありたいのかを再確認することにつながります。
本コースのもう一つの特徴に、作曲・録音系の勉強も併せてできることがあげられます。伝統的な曲を勉強することと同時に制作の勉強をすることで、音楽の新たな可能性を探り、自分にしかできない音楽の世界が広がっていきます。
みなさんの将来の目的や理想の実現につながるよう、私たちはサポートしていきます。
情報化が進み、欲しい情報を自分で探すことが出来るようになってきた現代において、大学でクラシックギターを学ぶ優位性とは何だろうか?と考えてみた時に、やはり個々人に適した方法、やり方を提供できるという点はひとつ大きなメリットだろうと思います。これは、本コースでの授業や特別レッスン、学園主催コンサート、実技試験、その他多くの場面において、様々な音楽分野の教員たちが学生の様子や成長を見守り、その情報を共有することによって、足りない部分をサポートしながら長所を伸ばしていける環境が構造的に整えられているからこそです。 また、様々な楽器や異なるジャンルの学生たちとも共に学べ、特にワールドミュージックコースでは珍しい楽器に触れる機会も多いので、そういった面でも貴重な経験ができるはずです。 私個人としては、洗足学園にクラシックギター科を創設した原善伸名誉教授から教えられた、クラシックであり王道のメソッドをベースにしながら、海外で多くの名プレイヤー達から学んできたテクニックや、自分自身が幅広い現場を経験して培ってきた内容などを伝えていければと考えています。
ギターの起源はルネッサンスまで遡ることができます。そして西洋音楽の文脈の中で生き残り続けました。今日のクラシックギターはその系譜を継承し、古典から現代までの音楽を奏でます。そして南米音楽やジャズやポピュラー音楽の影響も受け、新たな音楽が生まれています。 この楽器を極めるためには西洋音楽の伝統をしっかりと学んだ上で更に世界の音楽への理解を深めることが欠かせません。当WMコースが提供するのは、現代のクラシックギター奏者に必要な多彩な音楽性の探求の場であると言えます。 世界各国の音楽を実際に体験し実習することで現在のクラシックギターの在り方をしっかりと確認することができるでしょう。
世界の民族楽器や民族音楽の面白さは、様々なリズムやメロディを通して、それぞれの音楽が生まれた背景にある各国の歴史や文化をも知ることでしょう。私がバンジョーという楽器に興味を持ち、その奏法を追求するうちに、それが元々はアフリカからアメリカに渡った楽器であることや、世界の音楽はどこかで繋がっていて影響しあっていることを学びました。ワールド・ミュージック・コースで世界の楽器や音楽を深く知り、自分が長い音楽の歴史の一部であるという感覚を持つと、音楽表現への理解も深まると思います。
この楽器の魅力は音色と表現力。基礎を身に着けることで唯一無二の美しい音色と素朴な楽器とは思えないほどの豊かな表現力が手に入ります。また、この楽器のルーツ、南米フォルクローレの本質は多種多様なリズムにあります。世界的にもほとんど知られていない魅力溢れるリズムたち。南米音楽を専門的にやりたい人はもちろん、総合的に音楽を作っていきたい人にも学ぶ価値のある音楽です。まだ誰にも知られていないに等しいリズム、ケーナやサンポーニャの音、これらは新しい魅力のある音楽を生み出せる可能性の宝庫です。是非この楽器、この音楽を一緒に学びましょう!
クラシックギターはソロだけでなく、アンサンブルや伴奏を担当することが多い楽器で、また演奏ジャンルもクラシックに留まらず多岐にわたります。それだけ本番では奏者に求められることも多く、曲へのアプローチの方法を柔軟に対応する必要があります。ワールドミュージックコースの授業では実際に現役プレイヤーの先生方と一緒に演奏できる機会があります。この貴重な経験を通して、伴奏のスキルはもちろん、アンサンブルで仲間と演奏することの楽しさや、その地域と音楽に根ざしたリズム感を体感し、演奏活動の幅が広がりました。
「他の大学では経験できない楽器との出会いやアンサンブルの体験」
ワールドミュージックコースでは、私の専攻のクラシック音楽の勉強はもちろん、世界の様々な音楽を自分の楽器で表現したり、いろいろなジャンルの音楽の演奏に挑戦しています。学んだことを発表する場としては、年2回コース主催のコンサートがあります。また本コースには20種類以上の専攻楽器があるので、他の大学では経験できない楽器との出会いやアンサンブルも経験することができます。私は将来プロの演奏家を目指しており、主科のレッスンやマスタークラス、副科のフラメンコギターのレッスンを通して日々精進しています。