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久本神社の例大祭に大学生が参加しました

2023.10.30

 10月8日(日)久本神社の例大祭において、「演奏会実習」の金井ゼミの学生を中心とした32名と、久本小学校の4・5年生有志の30名と共に総勢62名で地域の皆様の前でお囃子を披露しました。音楽教育コースの金井 公美子先生に報告していただきました。

 

 久本神社のお囃子が途絶えて久しくし、伝統的な行事におけるお囃子の復活を願い、新しい形のお囃子を創作し奉納する取り組みが始まって10年以上となります。

 コロナの影響で、例大祭は2021・2022年は実施されず、また昨年は境内のみで行われ、大学生のみの出演となり、コロナ以前に戻ることはなかなか厳しいものがありました。しかし、今年は音楽教育コース3年生が篠笛の授業の計画、内容・方法の検討、教材化の開発を行い、4年生に対して篠笛指導を行い、児童たち独自のお囃子を創作することができました。多くの小学生に篠笛の魅力を伝えられたことは何よりの喜びです。久本小学校のつながりについては、2007年より音楽教育コースの定期演奏会の出演や、金井ゼミが参加型鑑賞教室を行う等、協働する関係が築かれています。大学生の活動は、小学校の篠笛授業を踏まえて、金井ゼミの学生(管楽器、ミュージカル、ダンス、音響デザイン、音楽教育など多彩なコース)と大学院の音楽教育学専攻(うち中国人留学生6名を含む7名)、器楽専攻ピアノコース1名が篠笛演奏、太鼓、鳴子を用いた踊りなど、それぞれの役割を分担してお囃子を完成させました。また、洗足の和太鼓クラブ「鼓弾」の4年生、および中国人の篠笛奏者(本学大学院和楽器専攻修了生)にも助けてもらえたことは、洗足ならではの「和」の象徴だと嬉しく思います。

 例大祭当日は、厳かな雰囲気の中で、これまで練習を積んできた小学生のひたむきな姿や、学生たちの熱心に演奏や踊りに取り組む姿勢に、地域の方々や小学校の教員・保護者の熱いまなざしが向けられました。年を重ねるごとに大きな声援をいただけていることは演奏者の励みとなり、実践を深化させるための原動力ともなっています。

 この例大祭は、久本町内会の会長様はじめ地域の方々のご理解と、温かい声援を受けて実現しているものです。地元の方々が毎年楽しみにしてくださり、大学としても地域のために少しでも力になれるよう尽力していきたいと思っています。 

 

久本神社例大祭の模様

音楽教育コース
金井 公美子

 

参加した学生さんのコメントです

・地域の方や小学生と一体となって伝統行事に参加できたことはとてもよかったです。
私自身,小学生のときに地域のお祭りでお神輿を担ぐ機会があり,今でも思い出に残っております。地域コミュニティの希薄化が進むなか,こういった伝統行事を大切にしていきたいと思います。(サックス専攻4年中瀬凱大さん 埼玉県高校教採合格)

 

・お囃子の中で踊る事は、自分の中で初めて経験する感情と向き合う事で不安もありましたが、とても良い緊張感に包まれながら、皆様に観ていただく事ができました。同時に、地域の方々との交流の大切さも学ばせていただきました。今回の貴重な体験を教員になってから活かせていけたらと思います。(ダンス専攻4年小松悠太さん 東京都特支教採合格)

 

・今回の例大祭は、私にとって非常に珍しい体験で、留学の際に日本の伝統文化に触れる機会を与えていただきありがたいです。一緒に参加してくれた子供たちの笑顔を見て、とても感動しました。これからも篠笛のスキルを続き練習して、来年も参加したいです。(音楽教育学専攻大学院1年SHAN LINJINGさん)

 

・なかなか経験できない日本の文化と直に関わることができて大変光栄であり、大学生と大学院生の協働についても有意義な実践で、双方の交流の場が嬉しかった。(音楽教育学専攻大学院2年LIU YIMINさん)

 

・今回、初めて鳴子踊りというジャンルにチャレンジしました。普段、私が学校で学んでいる踊りとは全く違う分類のため、何も分からない所からのスタートでしたが、私の得意分野や一緒に踊るみんなの特徴も活かしながら、例大祭を盛り上げていけるように振り付けをしました。準備を進めていく中で、今まで関わったことのないコースの先輩方や、同期と沢山の交流がありました。ダンス未経験者も多い中、振り付けを一生懸命練習して、本番仕上げてくださった皆さんに本当に感謝しています。(ミュージカル専攻2年 安西美咲さん)

 

・例大祭では、数年ぶりに小学生との共演を果たすことができ、地域との結び付きをより感じることができました。子どもたちが作ったオリジナルの節の指導や合同練習、そして本番当日の準備など、普段あまり関わることのない小学生と大学生が、例大祭という場で交流できたことは喜ばしいことであり、この先も引き継いでほしいことだと思いました。(音楽教育専攻4年 中村汐里さん 横浜市中学教採合格)

 

・「音楽」が近隣の大学・小学校・地域を繋ぎ、伝統文化を継承するこの活動に携わらせていただけたことを嬉しく思います。このような地域貢献の実践の場で、伝統文化伝承の意義を見出し、子どもたちとの関わり方を学び、自身の得難い経験となりました。今後も、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支え、地域を創造するこの活動が続いていくことを願っております。(音楽教育学専攻大学院1年 山岸咲野さん)

 

洗足学園音楽大学では、今後も地域の皆様と音楽を通じた地域貢献を積極的に行ってまいります。