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ロック&ポップスコースの授業『バンド・ワークショップ』を紹介します。

2023.09.01

今回はロック&ポップスコースの授業『バンド・ワークショップ』をご紹介します。この日は実際にレコーディングをしている様子を取材させていただきました。

レコーディングをする前に各自、自分の場所で楽器のセッティングをし、音の大きさや音色、響き方のチェックを行います。楽器ごとにそれぞれの部屋に分かれて演奏したものが最終的に1つの楽曲となるのは、生演奏と異なる部分です。

この授業を履修している学生さんにコメントをいただきました。

柏木 美玲さん(2年生/Key.)

授業では、自分だけではなくみんながレコーディングをしやすくなるにはどうしたらよいか考えています。最近、先生にアドバイスをいただいて意識していることは『雰囲気づくり』です。自分の一言で現場の雰囲気を崩してしまったりピリピリすることが無いように、失敗した人がいても「そういう時もあるよね!」と声を掛け合い、明るい雰囲気でレコーディングができるよう心掛けています。
キーボードは、ピアノだけでなく、ストリングス、ブラス、オルガン、その他シンセサイザーの音など、とても様々な音を出すことができます。それを2本の腕でどれだけ再現して出せるかが難しいのですが、どの楽器を再現してアレンジをしたらやりやすいか考えながら練習しています。

 

また、この授業を担当されている川村ケン先生にもお話を伺いました。

川村 ケン先生

今回取材していただいた「バンド・ワークショップ」はロック&ポップスの学生が4年間履修する授業です。バンドは半期ごとに組み、曲は学生に決めてもらいます。3・4年生は学生の希望と教員の意向を踏まえて、学年混合でバンドを組みますので先輩、後輩と一緒にバンドを組むという経験も積めます。授業はリハーサルを3週行い、その後、2週分(180分)の時間を使ってブラックホールの地下スタジオでレコーディングを行う流れになっており、4年間で最低でも24回、多い学生は一回で数曲をレコーディングしますので50~70曲以上と、かなりの数のレコーディング経験ができます。リハーサルを通して、レコーディングに向けて音をまとめていくという実際のミュージシャンの作業を疑似体験してもらい、さらに良い機材が揃った広いプロ仕様のスタジオで実際にレコーディングができるのがこの授業の特徴です。さらに試験ではスタジオやステージでの生演奏を行いますので、レコーディングしたものをさらにライブでどう表現できるかといった総合的な音楽制作を経験するためコースの集約的な授業と言えます。

プロになると、高校生の時などとは違ってバンドで集まったら、その中で自分の練習をすることはほぼありません。すでに各自の練習は終えていて、スタジオに集まったら1発で曲を演奏することが出来るというのが前提としてあります。勿論、必要な相談やアレンジは行いますが、とにかく、驚くほど短時間で数多くの曲を仕上げなければいけません。学生たちはこの授業を4年間経験することで、事前の必要な準備がわかるようになり、また、現場での判断や作業も速くなります。ですので、プロになるためのシミュレーションとして、最も大切な実技の授業だと思っています。

 

洗足学園音楽大学ロック&ポップスコースでは、国内外で今も実際に活躍されているミュージシャン、アーティストの方々が講師として指導する個人レッスンやバンドレッスンがありますので、日々、この中で、必要な基礎力とさらなる高い演奏技術の習得を目指しています。そして、毎週のリハーサルや、数多くのレコーディング、その成果を人前で発表するライブステージを体験する中で、演奏力も上がり、必要な協調性も磨けると思っています。私も、在学中にできるだけ多くのステージ経験を積み重ね、また、このプロユースのスタジオでのレコーディング体験を通じて、トレンドの移り変わりが早いロック、ポップスの世界で長く活躍し、オンリーワンの価値を発揮できるミュージシャンになれるように頑張りたいと思っています。