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電子オルガンコースの授業「オーケストラ演習2~4」を紹介します。

2023.08.09

今回は電子オルガンコースの授業「オーケストラ演習2~4」をご紹介します。学生さんたちは7月26日(水)に開催された演奏会『電子オルガンによる管弦楽曲とピアノ協奏曲の夕べ』に向けて熱心に授業に取り組んでいました。

 

この授業の担当教員である指揮の竹内聡先生にお話を伺いました。

竹内 聡 先生
この授業では「オーケストラ演習」という名前の通り、オーケストラのフルスコアを3、4人で分担して演奏しています。そもそもの電子オルガンの演奏に加え、スコアリーディングの要素も含まれており、一人一人が移調譜を読み、生楽器と同じように「生きた」音楽を表現できるようになることが目標です。通常、電子オルガンは一人で演奏をすることが多いのですが、この授業では3、4人で合わせて演奏をするため、アンサンブルをする力を身につけることができます。学生それぞれスキルの差があるため合わせていくときに難しさがあるのですが、お互いに耳を使って聴いたり、それぞれのバランスを取ることを一生懸命やっているなという印象です。
前期は、ピアノコースの選抜学生がソリスト、電子オルガンコースの学生がオーケストラ部分を担当し、指揮者を加えてピアノコンチェルトを演奏します。普段、電子オルガンのアンサンブルは指揮が無いことが多いのですが、プロの指揮者を迎えて演奏できるのは洗足ならではの授業だと思います。
生の楽器と電子楽器で演奏するので、ブレスのタイミングやピアノの音色の変化に対応する力を身に着けてほしいと考えています。

 

また、この授業を履修している学生さんに「アンサンブルする際に心がけていること」、「演奏会の意気込み」を伺いました。

稲葉さん
周りの音を聴きながら、自分もしっかりアピールしつつ、他のパートを引き立たせる演奏ができるように心がけています。演奏会ではミスをしないよう、頑張ります!

 

石倉さん
グループではゆっくりのテンポで縦のリズムを合わせる練習をし、インテンポに戻した時も合わせることができるようにしています。また、授業で言われたことをすぐに直せるように細かく区切って練習するように心がけています。今度の演奏会では3曲あるピアノコンチェルトの間ごとに私たちのグループがベルリオーズを演奏するのですが、コンチェルト同士の橋渡しをする役割になっているので、お客様に曲同士のつながりを意識していただけるような演奏にしたいです。

 

兒玉さん
アンサンブルするグループは学年の異なる2~4年生の3、4名で構成されています。そのため、誰か取り残されている人はいないか、分からないことがないか、練習中は声を掛け合い、みんなが納得して合わせることができるように心がけています。ピアノコンチェルトは1楽章から3楽章まで1曲が長く大変ですが、楽章ごとに緩急をつけ、物語が見えてくるように表現を工夫し、お客様に楽しんでいただけるようにしたいです。

 

伊藤さん
電子オルガンは普段1人で演奏をすることが多いため、アンサンブルする経験はとても貴重です。合わせるときは、他の人の音をよく聴きながら演奏をするよう心がけています。グループの中では、先輩・後輩どちらからも意見を言いやすい環境づくりを意識しています。前田ホールのような大きい会場で演奏をする機会はあまりないので、素晴らしい響きの中で演奏できることを楽しみつつ、場所によって変わる雰囲気に応じた表現ができるよう頑張りたいです。

 

電子オルガンコースでは、演奏、音づくり、作・編曲を第一線で活躍されている演奏家、作曲家、指揮者の指導陣の下で、クラシックとポピュラーの両音楽ジャンルを専門的かつ横断的に学べる充実したカリキュラムで、電子オルガンというコンテンポラリーな楽器を通しての多様な表現を実現する演奏家や教育者を育成しています。そして、これからの時代を担う学生たちの挑戦を積極的に応援しています。



学生写真:左から兒玉さん、伊藤さん、稲葉さん、石倉さん