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東日本大震災への支援活動/対応

2/6(土)、7(日) 石巻市被災地支援演奏会 報告

2016.02.23

「石巻に春を招く!」

2月6日・7日の2日間に渡り、本学学生19名、教員3名、桐朋学園大学学生有志5名の他、NHK交響楽団のゲスト2名を含む約30名で宮城県石巻市を訪問し、コンサートを行いました。

2月6日、バスで9時頃溝の口を出発し、16時に石巻に到着しました。
まずは現地の方に、震災当日、多くの市民の避難場所となっていた高台にある日和山公園を案内して頂きました。
一度は避難しかけたものの、亡くなられた奥様の位牌を取りに戻って命を落とされた方のご友人が「災害時には、一切モノに執着してはいけない。生きてさえいればまたやり直すこともできる」と仰ったお言葉がとても印象に残りました。
その後、ナリサワギャラリーにて第1回目のコンサート。
N響メンバーによる楽器紹介を含め、洗足、桐朋生の学生達と共に私たち教員も一緒に、芥川也寸志「弦楽のための3楽章」より第1楽章、仙台市出身でN響ヴァイオリン奏者の三又治彦さんの独奏によるヴィヴァルディの春、桐朋の学生による室内楽演奏、最後に聴衆の皆様にも歌で参加して頂き、全員で「みあげてごらん、夜の星を」を演奏しました。
110名を超えるお客様にご来場頂き、大変喜んで頂くことができました。
この日はNHK、ミヤギテレビなどの取材も入りました。

2日目の午前中は仮設大橋団地の集会所にて演奏。(同プログラム)
仮設に住む約50名のお客様が、コンサートを聴きに来てくださいました。
コンサート後は、実際のお部屋などにも案内して頂き貴重なお話も伺うことができました。
午後は石巻中央公民館にて3回目のコンサート。
250人ほどのお客様がご来場くださり、拍手が鳴り止まないほど、私たちの演奏を喜んでくださり、「もっと演奏して!」「また来てね!」と仰ってくださった言葉が忘れられません。
演奏会終了後はすぐにバスに乗り、6時間ほどかけて帰京致しました。

震災から5年が経とうとしている今、各方面からの支援が以前より少なくなってきている事、5年が経っても仮設に住んでいる方々が多くいらっしゃる事…
テレビや新聞の情報だけでは知る事のできない現状を身近で感じ、改めて私たちにできる事、しなくてはならないこと、また、継続して支援を続けていくことの大切さを考えさせられました。
【音楽】という素晴らしいコミュニケーションツールを通じ、これからもできる限り現地へ赴き、被災された方々との交流を持ちたい、と願ってやみません。
最後になりましたが、この企画を全面的にサポートして下さり、コンサートでは素晴らしい司会を務めて下さいました宮城教育大学教授の吉川和夫先生はじめ、NHK交響楽団の佐々木亮さん、三又治彦さん、石巻支援三七会の皆様、ナリサワギャラリーの皆様、仮設大橋団地の皆様、音楽の力による復興センター・東北の皆様、石巻市民交響楽団の皆様他、ご協力くださいました皆さまにこの場を借りて御礼申し上げます。

実行委員:勅使河原 真実、渋谷 由美子、佐々木 歩

今回の石巻でのコンサートを終え、私たちが一番感じたことは、石巻のみなさんの温かさでした。私たちが来ると「長旅おつかれさま」と気遣ってくださり、その後、演奏を聴き「ありがとう」「とても素晴らしかった」とたくさんの方々が声をかけてくださいました。また、被災した3月11日のつらい体験を語ってくださったり、現在の仮設住宅での様子を見せてくださったりと、東京にいるだけではわからない、被災地でのお話を伺うことができたのはとても貴重でした。石巻のみなさんは明るく笑顔で出迎えてくださいましたが、被災した時には私たちの想像をはるかに超える悲しみがあったのだと思うと、言葉が出ませんでした。日和山から石巻市を眺めた時には、五年経っても元の町の様子に戻らないことをまざまざと思い知らされました。
石巻で過ごした二日間で感じたことを、私たちは忘れず、また、被災地復興のために何ができるのか考え、行動していかなければならないと思いました。洗足学園の被災地支援ボランティアでの積極的な活動や、コンサートでの募金活動など、まずは私たちの身近にあることからやっていきたいと考えています。

洗足学園音楽大学2年 ヴァイオリン専攻 後藤悠太