大学院ピアノコースでは、演奏のみならず大学院生が修了後、良き指導者としても活動していけるよう、今年度より指導法講座を開講し、研究をしています。この講座では、大学院生が実際に自分の生徒にレッスンを行い、ジュネーヴ音楽院教授・亀田真弓先生から指導法についてのアドバイスを受けます。また、大学院生同士のディスカッションを通して様々な角度から指導法を追求し、確信を持って指導を行える指導法の確立を目標としています。
亀田真弓先生「ピアノ指導法講座」レポート
大学院ピアノ専攻1年 原田 千明
先週末の亀田先生の指導法講座、とても刺激的な講座でした。
講座自体は受講生が連れて来た生徒に対し、受講生皆んながどう指導するかを考えていくもの、という他にはあまり無い形でのものでした。 今回私は小学生の生徒を連れての受講でしたが、みんなで考えていく中で、教え方や生徒に対しての接し方など、十人十色の意見が出て「ああそんな考えもあるのか」と自分の視野を広げられたと思います。
また、亀田先生が時折アドバイスをくださったり、伝え方に困った時どうすれば良いか、などを実際の生徒と一緒に教えてくださったので、体験的に指導法を学ぶことができました。
生徒主体のレッスンが大切だと亀田先生は仰っていましたが、本当にその通りだと思います。
生徒の考えや意思をはっきりする事で、その子の演奏は大きく変わりますし、今後の技術の伸び方も音楽に対する姿勢も前向きになっていくという事を今回この講座を通してさらに深く実感しました。
普段、レッスン室という狭い空間でレッスンは行われますが、そんな中このような様々な視点・思考を広げる体験はとても貴重だと思いました。
これから今回の体験、得た知識を活かして、自分の指導法に活かしていきたいです。
亀田真弓先生 ピアノ指導法特別講座を受講して
大学院ピアノ専攻1年 諸原 康代
大学院ピアノコースでは、ジュネーヴ音楽院教授の亀田真弓先生によるピアノ指導法特別講座がスタートしました。
待ちに待ったこの授業の特徴は、何といっても「実際に様々な年齢の生徒さんにも授業に参加してもらい、学生がレッスンを実践しながら、全員で意見を出し合ってより良い指導法を学んでいく」という点です。
ピアノの指導をしていく上では、ピアノの演奏技術や知識が必要なのはもちろんですが、それ以上に「生徒一人ひとりの様子をしっかりと見つめ、その子に合った言葉がけをすること」がとても重要になります。
亀田先生の授業では、実際に生徒さんの演奏に対して『今の演奏の良かったところは?』『もっと良くなりそうなところは?』『今日のこの1回のレッスンで何をアドバイスするべき?』などを瞬時にとらえて、学生一人ひとりが自分の言葉の表現で生徒さんに伝えていくことを繰り返し実践しました。
目の前に生徒さんがいるわけですから、中途半端な言葉の選び方や表現ではきちんと伝わりません。先生役の学生がモジモジしていては生徒さんが困ってしまいます。自分はこれで良いと思っていた言い回しでも、実際に言葉にしてみると小学生の子どもたちには何だか伝わりにくかったり…、ということを生徒さんの表情から感じ取ることもできました。
そこで亀田先生はすかさず的確なアドバイスをくださり、「今の場合だったらこんな風に伝えてみたらどう?」と実際に先生の言葉とピアノで実践してくださる場面も多く、本当にたくさんのアプローチの方法があるということをとても分かりやすく示してくださいました。
ピアノのレッスンは、先生も生徒も「経験」から学ぶことがとても多く、それが何より重要なものになると感じています。実際に生徒さんとのレッスンを経験でき、それに対して亀田先生のアイデアやアドバイスをいただけるこの授業スタイルは本当に画期的なものだと実感しました。
改めて大学院のカリキュラムの豊かさを感じるとともに、この素晴らしい環境で過ごせる2年間でより多くのことを学び取ってその先の音楽人生につなげていきたいと強く思いました。
このような素晴らしい機会を作ってくださった先生方に心より感謝いたします。
次回の授業もとても楽しみです!