世界の名だたるソリストとの共演豊富な小林道夫先生の特別講座は
小林道夫先生の歌曲伴奏法特別講座を受けて
大学院1年ピアノ専攻 安藤真伊
6月23日(金)2・3限に伴奏ピアニストとして多くの世界的ソリストと共演されている小林道夫先生によるドイツリートの講座がシルバーマウンテンで行われました。
この日は7組の大学院ピアノ専攻と声楽専攻の学生がレッスンを受けました。
モーツァルト、ブラームス、シュトラウスなどさまざまな時代のドイツリートが歌われましたがどの曲のレッスンからも先生のドイツリートへの愛が伝わってきました。「ドイツリートの伴奏にはいつも意味があり、音楽がその世界へ私を連れて行ってくれる。これだからドイツリートはやめられない」とおっしゃっていた先生はとても生き生きとしており、わたしもその世界に入りたいと思わずにはいられなかったです。
また、お話の端々に登場する有名な歌手、フィッシャー=ディースカウやアーリーン・オジェーとのエピソードは今までCDでしか知らなかった音楽家たちが小林先生を通して、存在を近くで感じることができた貴重な時間でした。
私は、声楽専攻の牧野華林さんとR・シュトラウスの「献呈」をみていただきました。この曲は深い歌詞がついているので自分たちで練習しているときには表現がとても難しく感じていたのですが内容と表現をわかりやすく示していただき、すぐにはできるところまではいきませんでしたが歌詞の内容やそれに伴うピアノの意味が腑に落ち、曲への理解の扉が開くのを感じました。
この日学び、感じたことを元にドイツリートの世界にもっと入っていきたいと強く感じた講座でした。このような貴重な経験ができ、とても光栄に思います。
小林道夫先生 歌曲伴奏法特別講座を受講して
大学院 声楽コース一年 松本潮子
伴奏ピアニスト、ピアノ奏者、チェンバロ奏者、フォルテピアノ奏者、指揮者など様々なご活動で第一人者と評される小林道夫先生の歌曲伴奏特別講座を受講しました。
この講座はピアノコース、声楽コースの年間三回の合同講座で小林道夫先生のご指導は初めてとのことでした。
私達のペアーはシューマンの歌曲「献呈」をレッスンしていただきました。
限られた時間の中、先生は少しでも良い形に近づけるように寸暇を惜しんでご指導くださいました。
たくさんのことを教わりましたが特に印象に残ったのは、ドイツ歌曲を歌う上で声が先行してはいけない、ということです。
先生は以前伴奏された世界的に有名なバリトン歌手、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ氏とのエピソードを話してくださいました。
フィーッシャー=ディースカウ氏はその曲を全く知らない人でも、悲しい曲なのか楽しい曲なのか、どんな曲なのかが分かるような演奏をしていたそうです。
歌を勉強する者はどうしても良い声で歌いたくなりがちです。
また、声が出ていることで表現出来ているとも思いがちです。
けれども自分の声を聴かせるためではなく、シューマンの「献呈」の中にある言葉一つ一つを正確に理解しどの様に表現していくか、また、音型それぞれの特色を分析し、楽譜の中にあるたくさんのヒントをつかむことが必要と言われました。
そして数をこなして少しでも表現だけで表すことが出来る世界に近づけるよう努力をすることが大切、と教えていただきました。
実は未だかつて「献呈」を納得して歌えたことがなかったのですが、自分のレッスンと他の6名のレッスンを聴講する中で初めて腑に落ちた様な気がしました。
まだ整理出来ていないことがたくさんありますが、ご指導いただいたことを思い出しながら曲を立て直し、今後に繋げていきたいと思います。
歌曲伴奏法の講座にもかかわらず歌の注意をたくさん受けペアーの方には大変申し訳なかったのですが、とても有意義な時間でした。出来ればあと30分、レッスンを受けたかったです。
最後になりましたが、あたたかな情熱にあふれ、音楽をより深く学ぼうとしている私たちに、何が大切なことなのかご指導をしてくださいました小林道夫先生、またこのような素晴らしい機会を作ってくださいました洗足学園の先生方に心より感謝申し上げます。