最終学年の4年次では学生各自が、「音楽教育」または「音楽全般」のいずれかの分野における研究テーマを設定し、そのテーマに基づいた文献研究、実践研究、調査研究を行い、音楽学部での4年間の研鑽の集大成として卒業論文を執筆します。そのうち優秀卒業論文に選抜された学生は、年度終わりの2月に毎年開催される「音楽教育コース優秀卒業論文発表会」で自らの論文の要旨を発表します。以下は、近年の優秀卒業論文選抜者とその論文の題目、要旨です。
音楽教育コースの学生は3年生になると、専門研究の演習の一環として、本学近隣の小学校の4年生に対して篠笛を用いた授業を実践します。この活動を通じて学生は、授業計画から内容、方法の検討を重ね、教材化の開発を行うことにより、より良い授業づくりについて深く学ぶことができます。このように他コースにはない授業実践が経験できることで、音楽の技術力、表現力、指導力についての力がつき、4年に教育実習を控えた学生にとってはまたとない実地経験の機会となります。さらには、小学生や他コース生との協働を図り、地域のお祭りに参加することで、地域社会との結びつきを肌で感じながら、音楽文化を地域に広める活動を積極的に行っています。これらの活動は、「音楽教育コース定期演奏会」で児童とのコラボレーションを企画したことに端を発し、近隣小学校との良好な関係を築きあげてきたことで、近年では小学校での参加型鑑賞教室も任されています。このように、本コースの学生のニーズに則し、教師やレスナーをできるだけ早い段階で経験するために、近隣小学校での授業サポートを優先的に行えるよう環境を整え、学習面のみならず、生活面での児童とのふれあいを多くし、現場の教員になるための必要な学びができるようになっています。これらの活動は、社会に出てから教師やレスナーとして大いに役立っているとの卒業生の反響が大きいことから、本コース生の将来の活躍が期待されるところです。
教員採用試験のすべての科目ならびに面接や小論文の対策について、授業や個別対応などで教員採用試験現役合格のため、コースをあげて指導しています。
音楽教育コースには1年生から4年生まで履修できる授業が多数あり、他学年と交流を深めながら切磋琢磨することができます。私自身も先輩や後輩、同期から日々刺激を受け、とても充実した4年間の大学生活を送ることができました。「教員になるために一番大切なのはコミュニケーション能力」とはよくいわれることですが、コースの全学年で受ける授業が多くあったおかげで、コミュニケーション能力は自然と身に付いたと思います。私が本格的に教員採用試験の1次試験対策を始めたのは3年生の10月です。試験範囲が広過ぎて最初は何から手をつけたらよいのか困りましたが、先生方に相談したり、同期と一緒に勉強したりして次第に手応えを得られるようになりました。2次試験の対策は、2年次から履修したコースの授業「音楽教育総合講座」がメインでした。さらに全コース対象の教員採用試験対策講座も受講し、合格するためなら何でもやりました。私が、充実した大学生活が送れたのも、教員採用試験に現役合格することができたのも、音楽教育コースで学べたからだと思っています。卒業後は、夢だった特別支援学校の教員として働くことになりました。
在学中、いつも周りに支えられながら磨いてきたコミュニケーション能力を武器に頑張っていきたいと思います。