コース紹介

コース代表メッセージ

アカデミック
プロデューサー
佐藤 昌弘 先生


小学校、中学校、高等学校とも、私にとって音楽の授業は学校生活での最大の関心でした。授業を通して様々な国、時代の、様々な音楽を知りかつ演奏することで、音楽を愛する心が根づきました。教壇にはいつも、憧れの音楽の先生がいました。現在は、未来の子どもたちの憧れとなる音楽の先生たちを大切に育てることが自らの最大の使命と考えております。音楽の持つ美しさと楽しさ、その奥の深さを、子どもたちに伝えたいと強く望んでいる人材を何よりも音楽教育コースは歓迎します。

コースの特色

音楽を通じて「教え、育むチカラ」を学ぶ

洗足学園音楽大学の音楽教育コースは、「教育学部」としての特色(教員を養成する、教育を研究する)と、「音楽学部」としての特色(プロフェッショナルな音楽家を育成する、音楽を高度に専門研究する)の2つを兼ね備えています。このことは、中学校および高等学校の音楽科教員、吹奏楽や合唱の指導者等、将来、音楽の教育人になることを目指す人にとって大きな利点となります。
教育の現場でしっかりと力を発揮できる技能と知識を大学時代で養い、向上心を持つ教員、指導者として社会で活躍することを願って、洗足の音楽教育コースでは4年間かけて以下の3つを柱として、音楽教育の優れた人材を育みます。

(1) 音楽大学ならではの本格実技レッスン

洗足ではピアノや声楽だけでなく、レッスンは希望する楽器&教員を自分で選択することができます。
また、副科の実技レッスンは「未経験の楽器」「作曲」はもちろん、「ジャズ」「ポピュラー」などクラシック以外の ジャンルの音楽について学ぶこともできます。

【1年次】

最大3種の個人レッスンが毎週受けられます。

  • ピアノ実技(30分)
  • 声楽実技(30分)
  • 副科実技(20分)

【2~4年次】

専門、副科とも、一年ごとに楽器の種類を変えることができます。

  • 専門実技(30分)
  • 副科実技(20分)
  • 教職ピアノ(90分)


(2) 教員になるための専門教育を1年次より実践

必修科目「音楽教育研究Ⅰ」では、 「教材づくり」「指導案の作成」「模擬授業の実践」など、 通常の教職課程では2年次以降に行う専門教育を、 洗足の音楽教育コースでは1年次より実践します。


(3) 教育現場で求められる指導法を習得

専門選択科目「合唱活動指導法」では、 学校教育において大きな割合をしめる 「合唱」について、現場で必要とされる指導法を、 実践を通じて習得します。


目指せる将来像

●学校教員(小学校および中学校の音楽教諭、高等学校芸術科音楽教諭) ●音楽教室講師
●生涯学習センター指導員 ●デイサービス児童学習指導員 
●コンサート企画会社
●国公立大学院音楽教育学専攻進学 ●IT関連会社 
●福祉・介護職員
●学習塾講師 ●楽器店スタッフ 等

教員からのメッセージ

谷川 マユコ 先生

音楽教育コース3年次専門選択科目『即興伴奏法』と、同コースのアカデミックアドバイザー(AA)を担当しています谷川マユコです。『即興伴奏法』では、さまざまな教育現場や、幼児施設から高齢者施設にいたるまでの公共センターのアウトリーチ活動など、あらゆる場で役立つと考えられる技術が身につくよう学生たちに伝えています。授業の主な内容は、メロディしか書かれていない楽譜にどのように伴奏をつけるかという課題に対し、適切にコードを弾き、リズムもさまざまな種類を使い分け、ときには自身で和声づけをしたり、ベースラインを作成したりします。さらにはモードに基づく伴奏や、前奏および後奏をつける方法等も学べます。この授業は3年次で履修できるのですが、ある程度音楽的に成熟したこの年次であるからこそ、効果的に学べるかと思います。また私は、音楽教育コースのアカデミックアドバイザーを仰せつかっており、音楽教育コースの学生さんが安心して日々勉強に励めるよう、履修関係や大学生活の相談事等、個人個人に丁寧な対応をするよう心掛けています。

牛頭 真也 先生

音楽教育コース1年次必修科目『言語表現演習Ⅱ』と2年次必修科目『音楽教育研究Ⅱ(前期)』担当の牛頭真也です。『言語表現演習Ⅱ』では、プログラム・ノート(曲目解説)の執筆を通して、音楽についての基礎的な文章表現の技術を学習します。執筆の経験を積み重ねることで音楽に対する理解を深め、豊かな演奏表現へとつなげることができます。音楽教育コースの学生さんには音楽についてのさまざまなスキルとともに、言語表現のスキルも育んでいってほしいと願っております。また『音楽教育研究Ⅱ』では、音楽教育の基本となる内容を学びます。具体的には、世界の音楽教育に影響を与えたジャック=ダルクローズのリトミック、カール・オルフとコダーイ・ゾルターンのメソッドをとりあげ、実践を通した学習を行います。これらの学びから音楽教育コースの学生さんには、音楽教育指導者としての基礎を身につけてもらいたいと考えております。

高橋 明日香 先生

音楽教育コース2~4年次専門選択科目『リコーダーアンサンブル』担当の高橋明日香です。日本の学校教育では、小学校の音楽の授業で誰もが手にするリコーダーですが、楽器としての起源と成立、また教育楽器として定着するまでの経緯についてはあまり知られていません。それらの歴史をあらためて紐解くと、リコーダーという楽器の持つ教育的特性と価値が見えてくるでしょう。音楽教育コースの学生さんには、将来、子どもたちの心に残る音楽体験を伝えることの出来る先生になっていただきたいと願っております。

駒﨑 達也 先生

音楽学部音楽教育コース4年次必修科目『音楽教育研究Ⅳ』及び、大学院音楽教育学専攻・専門選択科目『音楽教育特殊研究3・4』を担当しています駒﨑達也です。『音楽教育研究Ⅳ』では、学部4年間の本学での学びの集大成として、卒業論文の執筆をしていきます。そして、私はさまざまな興味や特性を持つそれぞれの学生に寄り添い、卒業論文の執筆だけでなく、進路指導やこれからの人生の歩み方についてなども一緒に考えていきます。私の専門は音楽教育学ですが、主に中国における音楽教育の現場を研究の対象としています。実際過去に9年間中国に滞在し、現地の大学教員としてだけでなく、ピアノ指導者、コンクールの審査員等を経験してきました。さらに、私は中国語や韓国語、英語にも対応できますので、本学の音楽学部音楽教育コース、あるいは大学院音楽教育学専攻で学んでいきたいと考える留学生も心から歓迎します。みなさんが「音楽教育を学んできてよかった」と思いながら卒業できるように、私も全力で指導していきたいと思っております。

木下 晶子 先生

音楽教育コース3年次必修科目『音楽教育研究Ⅲ(後期)』を担当の木下晶子です。本授業では、卒業論文執筆に向けて、文献購読を通して音楽教育学の研究領域と研究方法について学び、音楽教育の今日的課題について論理的な考察を深めます。私は日本とフランスにおいて音楽教育に携わった経験から、音楽教育の国際比較に関心を持っています。購読する文献に関連して、日本とフランス、仏語圏諸国などの音楽教育実践や教材の例についても適宜取り上げます。グローバルな視点で音楽教育の知見を広げることが、研究および教育実践のための豊かな発想につながればと思います。

学生からのメッセージ

齊間 美羽 4年 長野県/県立上田染谷丘高等学校

「教員になるための専門教育を1年次より実践」

音楽教育コースでは、1年次より指導案の作り方を学び、模擬授業を行います。 入学年次から人前に立って授業をする経験を重ねることは、教員を目指す上でとても強みになると思います。 4年間で数多くの模擬授業を行うことで自分自身のスキルアップに繋がり、自信となります。 また、先輩方の模擬授業を受ける機会もあり、同学年のみならず、他学年から得られる知識や気づきも多いです。 教員になりたい!という夢に向かって、充実した学生生活を送ることができています。

水上 唯 3年 神奈川県/県立相模原弥栄高等学校

「教育現場で求められる指導法を習得」

全学年が履修することができる「合唱実習」「合唱活動指導法」では、主に中学校・高校で扱う合唱曲を実際に歌いつつ、教員にとって必要不可欠な合唱の指導法を学びます。指揮、伴奏、指導を全て学生で分担するため、1年生のうちからそれらの経験を積むことができます。また先輩方の指導法を実際に目の当たりにすることで、どうすれば生徒により分かりやすく音楽的なアプローチができるのかを学ぶことができ、貴重な時間となっています。そして授業で扱ったうちの数曲は、定期演奏会で日頃の実習の成果を披露することができます。

秋谷 舞雪 3年 日本音楽高等学校(東京都)卒業

「模擬授業や合唱指導など、常に教育現場を意識しながら学べます」

音楽教育コースでは、模擬授業をはじめとした専門の演習を1年次から行うほか、教育楽器でのアンサンブルや合唱指導の授業などがあるため、常に教育現場を意識しながら学ぶことができます。この他に、作・編曲法、ピアノや声楽の演奏実技、和楽器、能、民謡などの伝統音楽の実習、といった様々な分野の技能・知識を身に付け、音楽の幅を広げることができるのも、このコースの魅力です。私は「教員になりたい」という小学生の頃から抱いてきた夢を実現するため、仲間たちとお互いを高め合いながら日々学び続けています。