「人生に無駄なことはひとつもない。」
このタイトルが、在校生そしてこれから入学するみなさんに私が最もお伝えしたいことです。
忘れもしない、洗足の入学試験。そこでは自作の曲を提出したにもかかわらず、当時は音響への興味の方が勝り、入学当初はPA専攻に籍を置きました。その後、やはり音楽制作への思いも捨てきれず、作・編曲専攻にシフト。とは言え、自分のスキルに対する自信もなければ、目標も定まっておらず、卒業後の将来像は漠然としたものにすぎませんでした。しかし4年間ひとつだけ揺るがなかったもの、それは「いつの日か音楽に携わる仕事をする」という想いでした。これは入学前から決意していた“留学”という高いハードルを乗り越えるためのエネルギー源となっていたと思います。
「人生に無駄なことはひとつもない。」こう言いきる理由は、将来絶対に役立たないであろうと思っていた授業が、卒業後に出版社で仕事をする際最も役に立ったこと。そしてPAや録音の基礎知識も、CD制作に携わる今、非常に活きているからです。自分にとって有益にならないであろうと思うことも、実は将来、かけがえのない財産になりうるのです。もしも無駄だと感じることに直面したとしても、プラスになるように変えてしまえばいい!!
洗足を卒業した後は、偏りのない知識と経験を得ること、そして音楽が世界共通語であることを体験するために、留学生の多いアメリカの大学に進学しました。数学・心理学・生物学、はたまた商業デザイン論など、音楽学部に在籍しながらも他分野の事柄について考え、もがき苦しみながらも探求しようとした経験、そこで得た忍耐力は、社会に出た今、最高の財産となっています。想いだけでは、夢は叶いません。ですが、想いがなければ、努力を積み重ねることも至難の業です。今後は世界の音楽をリードするプロデューサーになることを目指し、日々修業に励みたいと思います。自ら波を起こし、その波に乗る!!これを読んでくれたみなさんが、本気で音楽と向かい合い、学び、愛し、その喜びを多くの人と分かち合いながら、最高に楽しい人生を歩んでいかれることを心から願っています。
※プロフィールはメッセージ掲載時のものです。
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