活躍する卒業生

ピアノコース

Saori (SEKAI NO OWARI)

Q.現在の仕事(活動)について教えて下さい。
SEKAI NO OWARIというバンドでピアノを弾いています。

Q.現在の仕事を目指すきっかけは?
SEKAI NO OWARIというバンドの始まりは少し希有ですが、「ライブハウスを作る」というところからスタートしました。
大学1年生の時に幼馴染みの仲間たちに誘われて、私もこのライブハウス作りに熱中し、木を切り鉄を組み立てながら、そのライブハウスで仲間たちと音楽を鳴らすようになり、バンドを結成することになりました。

Q.洗足学園音楽大学で学んだこと、印象に残っている先生の言葉は?
大学二年生、ピアノコンチェルトのオーディションを受けたのは、ちょうどライブハウスの壁のペンキを塗っている頃でした。
ペンキまみれの姿でレッスンに登場する私に対して、北島先生は笑いながら「お前なら出来るよ!」と言って下さったのをとてもよく覚えています。
一方的に指示するのではなく、「僕ならそこはこう弾く。君はどういう解釈をしましたか」というような先生のレッスンだったので、いつも電車の中で楽譜を広げて、細かいスラーやフレーズにチェックをつけながら「今回の解釈は自信あるぜ!」と息巻いてレッスン室のドアをノックしていました。
時間のない中で二度のピアノコンチェルトのオーディションに合格出来たのは、例えるなら「魚を釣ってくれた」のではなく、「魚の釣り方」を教えてくれた師のお陰でした。

Q.当時はどんな学生でしたか?
朝から夕方まで授業に出て、夕方から23時までアルバイトをし、そのあとにバンド活動をしていた為、ほとんど眠らない学生生活でした。
練習する時間がないので、授業を少しずつさぼって(!)練習していました。
数十分もあるコンチェルトを暗譜しなければならない時は、時間があれば楽譜を眺めて、目で覚えるようにしていました。
本当に目まぐるしいほど忙しい学生生活でした。

Q.卒業後、学生時代に学んだことが活かされていると実感したことはありますか?
人生で最も色んなことにトライをした時期だったのですが、「出来ない」というのは、本当に出来ない訳ではなくて、「やりたくない」だけなんだ。ということを、私は学生時代に学びました。
言い訳出来ないこの言葉に未だに心のドアをノックされながら、頑張っています。

Q.現在の仕事は、どんなところにやりがいを感じますか。
無から有を生み出す仕事です。
苦しさ9割、楽しさ1割くらいなんじゃないかと思うのですが、どうしてもやめられません。不思議な仕事です。

Q.今後の抱負を教えて下さい。
苦しさ8割、楽しさ2割くらいのバランスで出来たらもっと素晴らしいものが作れるのではないかと思っています。

Q.洗足学園音楽大学への進学を目指す後輩へメッセージをお願いします。
「出来ない」と「やりたくない」という言葉は、とてもよく似ていて、自分で使っていてもどちらが本当の気持ちなのか、分からなくなることがあります。心の中ではやりたくないことなのに、いつまでも「出来ない」と言っていたことが、私にもありました。「知らない」のに「嫌い」だという言葉を選んだこともあります。似ているようで、全然違う言葉がこの世界にはたくさんあって、それは自分自身さえも騙してしまうものだと思うのです。自分の心とよく話し合い、言葉を選んで発することは、近くにいる人や、自分自身のことを大切にすることに繋がるのではないでしょうか。心に素直に、色んな経験をして、素敵な大学生活を送られることを願っております。

Profile
1986年大阪府生まれ。4人組バンド「SEKAI NO OWARI」では”Saori”としてピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。藤崎彩織としての文筆活動でも注目を集め、2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』『ねじねじ録』『ざくろちゃん、はじめまして』がある。

※プロフィールはメッセージ掲載時のものです。

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