活躍する卒業生

管楽器コース

阿部 千春

みなさんは、東京消防庁に音楽隊があることをご存じでしょうか?私は正直、大学4年生の時に開催された説明会に参加するまで知りませんでした。
東京消防庁音楽隊は、総務部総務課に属しており、消防官で構成されています。消防官採用試験に合し、消防学校を卒業して消防署で勤務した後、人事異動で音楽隊員となります。私も2年間の消防署勤務を経て、音楽隊員となりました。
平成24年11月現在、音楽隊には35名のプレーヤーが在籍しており、そのうちの6名が洗足学園音楽大学の卒業生です。
音楽隊は、国家的行事での式典演奏の他、防火防災への意識向上と協力を呼びかけ、東京都民と消防の架け橋として活動しています。厳粛な式典やコンサート会場での演奏会だけでなく、野外での演奏会やパレード演奏等、活動シーンは様々です。私達の仕事の大きな柱は、広報活動という予防業務です。お客さんが演奏会中に行われる消防広報に耳を傾け、 気にかけてくれたら、火事や事故を未然に防げます。ですから、まず演奏に興味を持ってもらうため、年間200回近くの演奏業務のうちの8割は、みんなが知っているポップスやマーチを演奏しています。
しかし、何と言ってもお客さんとの距離が近い!「人と人とのつながり」を大切にしている当音楽隊ならではで、そこが私の 一番気に入っているところです。本番が終わった後にお客さんと会話を交わすこともよくあります。そんな時、「うちにある消火器が古くなって捨てたいんだけど、どうしたらいい?」なんて聞かれたりすると、待ってました!!と心の中では歓喜の踊りを舞っています。
もちろん、大好きな楽器を吹いてたくさんの拍手をいただき、お客さんの笑顔を見るのは大きなやりがいの1つです。しかし 、実際火災現場で尊い命や財産が失われるところを目の当たりにしているからこそ、予防することの大切さを少しでも多くの方に知ってもらいたいと強く思うので、消防に興味を持ってもらえた時の満足感は言葉では表わせません!それが、私の一番のやりがいです。
就職難が叫ばれている時代ではありますが、どんな職種であっても、やりがいを感じられる仕事に就いてほしいです。そして、厳しい職種ではありますが、東京消防庁も希望就職先候補に入れてもらえたら嬉しいです。

Profile
平成18年 洗足学園音楽大学管楽器コース卒業
フルートを小林茂氏に師事。
平成19年 東京消防庁入庁

※プロフィールはメッセージ掲載時のものです。

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