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グリーン・タイ ウインド・アンサンブル演奏会を開催しました。

2022.07.12

2022年6月28日(火)にグリーン・タイ ウインド・アンサンブル演奏会を前田ホールにて関係者限定にて開催しました。

洗足学園音楽大学グリーン・タイ ウインド・アンサンブルは、この日のコンサートに特別な思いを抱いて臨みました。
吹奏楽には、管楽器の特性を生かした明るい響きの作品が多い一方で、さまざまな背景をもった作品があります。歴史的に見ても、世の中の情勢が直接に反映された作品も数多くあります。たとえば、1968年のチェコ事件を、プラハ出身の作曲家カレル・フサが吹奏楽で表現した作品など。
今回のプログラムは、戦争について、平和についてさまざまな方向から考えるものです。これらの曲を演奏し発信することで、現在の世界の状況を考える機会とすることが、音楽大学の吹奏楽の使命でもあろうというグリーン・タイ ウインド・アンサンブルの企画運営責任者の伊藤康英先生の思いからです。

 

公演名:グリーン・タイ ウインド・アンサンブル演奏会
日時:2022年6月28日(火)18:30開演(開場18:00)
会場:洗足学園 前田ホール
指揮:藤岡幸夫先生
演奏:洗足学園音楽大学グリーン・タイ ウインド・アンサンブル
プログラム:
・伊藤康英/コラール前奏曲「おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」による幻想曲(2002/2012)
-2001年、ニューヨークでの世界貿易センターのテロを受けて作曲。

・C.リフタ/ホーム・アウェイ・フロム・ホーム(2019)[日本初演]
 -キエフ生まれ、アメリカを経てオーストラリア在住の女性作曲家の作品。
  2022 年3月、キエフにて母親が死去したという。

・D.ミヨー/フランス組曲(1945)
ノルマンディ
ブルターニュ
イル・ド・フランス
アルザス=ロレーヌ
プロヴァンス
第二次世界大戦の戦禍を避けアメリカに移住したミヨーが、祖国フランスのために戦ってくれたアメリカへの感謝の気持ちを込めて作曲。各曲の題名(地名)は、特に戦争が激しかった地域。

・K.フサ/プラハ1968年のための音楽(1968)
序奏とファンファーレ
アリア
間奏曲
トッカータとコラール
-ソ連率いるワルシャワ条約機構軍がチェコに侵攻したチェコ事件により作曲。

・伊藤康英/ピース、ピースと鳥たちは歌う(2001/2018)
-カザルスが国連で演奏した「鳥の歌」をもとにした作品。
「わたしの祖国では、鳥は「ピース、ピース、ピース(平和)と鳴く」

 

この日に向けて、学生たちは合奏授業の中でも個人でも懸命に練習を重ねてきました。
そして本番では見事にその練習の成果を発揮し、藤岡幸夫先生の指揮の下、素晴らしいサウンドを披露してくれました。
本ページ最下段に、Facebook の演奏会Photoアルバムのリンクが記載されていますので是非ご覧ください。

 

管楽器コースは、各専門楽器でソロと合奏における音楽の追求を行います。その指導にあたるのは世界で活躍する演奏家をはじめ、一流の指導陣です。カリキュラムの特色は、合奏系の授業と演奏会の本番が豊富にあることです。聴衆に対する責任と緊張感は、演奏家としての成長を最も効果的に導いてくれます。室内楽、オーケストラ、吹奏楽をはじめ様々なアンサンブルを通じて、ソリストとしての能力に加え、柔軟な表現力を身につけることができます。それらを学ぶことは、プロの音楽家としての資質を高めると共に、問題解決能力という、これからの社会に必要な「人間力」を養うことにもつながります。