「洗足学園音楽大学における公的研究費の管理・監査の基本方針」
(令和5年4月4日改正)
1. 趣旨
この基本方針は、国又は独立行政法人から本学に配分される、競争的資金を中心とした公募型の研究資金
(以下「公的研究費」という。)について、不正使用を防止し、適正な管理・監査を行うために必要となる事項を定めるものである。
2. 責任体制
本学の公的研究費の運営・管理について責任体系を明確化するため、次に掲げる者を置く。
- (1)最高管理責任者
- (2)統括管理責任者
- (3)コンプライアンス推進責任者
- (1)最高管理責任者は、公的研究費の運営・管理について最終責任を負い、学長を充てる。
- (2)統括管理責任者は、最高管理責任者を補佐し、公的研究費の運営・管理を統括する実質的な責任と権限を持ち、事務局長又は事務長を充てる。
- (3)各部局における公的研究費の運営・管理について実質的な責任と権限を持つ者としてコンプライアンス推進責任者を置き、各部局の長をもって充てる。コンプライアンス推進責任者は、統括管理責任者の指示の下、次に掲げる業務を行う。
- ア 自己の管理監督する部局における対策を実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を統括管理責任者に報告すること
- イ 不正防止を図るため、部局内の公的研究費の運営・管理に関わる全ての構成員に対し、コンプライアンス教育を実施し、受講状況を管理監督すること
- ウ 自己の管理監督する部局において、構成員が、適切に公的研究費の管理・執行を行っているか等をモニタリングし、必要に応じて改善を指導すること
- (4)コンプライアンス推進責任者は、役割の実効性を確保する観点から、責任を統括する役割を担った上で、必要に応じ、部門等の組織レベルで副責任者を任命することができる。副責任者は、コンプライアンス推進責任者の指示の下、業務を行う。
- (5)最高管理責任者、統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者(副責任者を含む。)は、それぞれの職務においてその管理監督の責務を十分果たさず、結果的に不正を招いた場合には、その責任を負うことに留意する。
3. ルールの明確化・統一化
最高管理責任者は、公的研究費の使用及び事務処理手続きに関するルールを明確にし、公的研究費の運営・管理に関わる全ての構成員に周知を図る。
4. 職務権限の明確化
最高管理責任者は、公的研究費の事務処理に関する構成員の権限と責任について、業務の分担の実態と乖離が生じないよう、適切な職務分掌を定める。
洗足学園音楽大学における科学研究費の役割・責任体系図
5. 関係者の意識向上
- (1)公的研究費の運営・管理に関わる全ての構成員に、本学の不正対策に関する方針及びルール等に関するコンプライアンス教育を実施し、受講者の受講状況及び理解度を把握するとともに、誓約書等の提出を求める。
誓約書(研究者向け)
誓約書(業者向け)
- (2)公的研究費の運営・管理に関わる全ての構成員に対する行動規範を策定する。
6. 告発等の取扱い、調査及び懲戒に関する規程の整備及び運用
- (1)公的研究費に関する不正の通報は、法人本部総務が窓口となり対応する。
- (2)法人本部総務が通報を受付けたときは、最高管理責任者へ情報を報告し、関連部署の協力を経て、事実関係の調査を行う。
- (3)最高管理責任者は、以下のアからオを含め、公的研究費の不正に係る調査の体制・手続き等を明確に示した規程等を定める。
- ア 告発等の取扱い
- イ 調査委員会の設置及び調査
- ウ 調査中における一時的執行停止
- エ 認定
- オ 配分機関への報告及び調査への協力等
- (4)調査後において懲戒等を必要とするときは、「就業規則」に基づき処理する。
通報窓口
7. 不正要因の把握、不正防止計画の策定・実施及びモニタリング
- (1)最高管理責任者は、公的研究費の不正使用を発生させる要因(以下「不正の発生要因把握表」という。)を整理し、具体的な研究活動上の不正防止計画(以下「不正防止計画表」という。)を策定し実施する。
不正の発生要因把握表
不正防止計画表
- (2)最高管理責任者は、不正防止計画の推進を担当する監査員を置き、監査員は必要な業務を行う。
8. 公的研究費の適正な運営・管理
- (1)コンプライアンス推進責任者は、当該部局の公的研究費の執行状況について検証し、予算の執行が当初計画に比較し著しく遅れている場合は、その理由を確認するとともに、必要に応じ改善策を講じなければならない。
- (2)物品等の購入依頼又は発注をする場合は、あらかじめその支出財源を特定しなければならない。
- (3)不正な取引に関与した業者については、取引停止等の措置を講じる。
- (4)最高管理責任者は、適正な会計経理の執行のため、次の措置を講じる。
- ア 発注・検収業務は、原則として事務部門が行う。
- イ 非常勤雇用者の勤務状況確認等の雇用管理については、原則として事務部門が実施する。
- ウ 換金性の高い物品については、適切に事務部門で管理する。
- エ 研究者の出張計画の実行状況等を事務部門で把握・確認できる体制とする。
9. 情報発信・共有化の推進
- (1)最高管理責任者は、ルールに関する相談を受ける部署として、事務局及び各部局に相談窓口を置く。
- (2)最高管理責任者は、公的研究費の不正防止に向けた取組について、方針及び手続き等をホームページで公表する。
10. 監査体制
- (1)内部監査室は、最高管理責任者の直轄的な組織として「洗足学園音楽大学・洗足こども短期大学科学研究費補助金内部監査実施マニュアル」に基づき、毎年度定期的に内部監査を実施する。
- (2)内部監査の実施に当たっては、以下のことに留意する。
- ア 会計書類の形式的要件等の財務情報に対するチェックのほか、公的研究費の管理体制の不備の検証も行う。
- イ 不正が発生するリスクに対して重点的かつ機動的な監査を実施する。
- ウ 監事及び会計監査人と緊密な連携を図り、効率的な監査を実施する。
11. その他
最高管理責任者は、上記に定めるほか、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)(平成19年2月15日文部科学大臣決定、令和3年2月1日改正)」において実施が必要とされた事項について、所要の取組を実施する。